特別メッセージ「雨水自立の家」

2018年10月5日

特定非営利活動法人 雨水まちづくりサポート

近年の気象災害の頻発は、今年に入り更に激しさを増しています。

つい最近の西日本豪雨による土砂災害や大型台風の強風、高潮、塩害、北海道胆振東部地震と全道停電など、日本列島全域が巨大災害に見舞われています。

これらの災害で命を落とした方々のご冥福をお祈りいたします。

 

こうした事態に際し、雨に取り組む私たちとして、何をすべきかを明確にしないといけません。

雨が引き起こしている災害ではありますが、その雨とどう取り組むかが私たちの生存をかけた課題となります。

雨水の被害の後で、困るのも水です。

都市の中では、雨による被害を受ける地域に対して、被害のない地域は場合によっては被害をもたらす立場にもなり得ます。

私たちは、雨水を蓄えることにより防災、利水、治水、環境に寄与する「蓄雨」という考え方に基づいて雨水まちづくりを推進するための活動を行っています。

しかし、これからはもっと明確になぜ雨を手掛かりにしたまちづくりが必要かを訴え、実践していくことが肝要です。

 

そこで、今後、「雨水自立の家」というスローガンを掲げて、安全、安心なまちづくりに向けた取り組みを加速していきたいと思います。

 

 

「雨水自立の家」とは

「災害時にあっても蓄えている雨を用いて自力で生活を維持できる家」である。

そのために、

1.大雨に対して洪水抑制の能力を持つ大容量の雨水貯留槽を備える

2.太陽光発電などの非常用電源により水を供給する電力を持つ

3.日常から雨水を用いた菜園やプランターにより非常食を備える

さらに、

4.敷地に雨水を浸透させ地域の地下水涵養に役立てる

5.雨水の浸透により緑を育て生きものの多様性を育む

 

こうした家づくり、まちづくりが当たり前になるように、私たちは活動して行きます。